新「名医」の最新治療

〜最新医療の現場から クーズアップ歯科医院〜
●保存重視の歯科治療を秩父から世界に発信●
秩父臨床デンタルクリニック・CTインプラント研究所

インプラントの手術件数は、アフターケアが可能な範囲内で行われるべきだと考える秩父臨床デンタルクリニックの栗原仁理事長は、2011年、新たな施設を完成させた。メンテナンスに特化した、もう1つの歯科医院だ。

1.難しい症例に対する保存重視の歯科治療
2.メンテナンスに特化した新たな施設を導入
3.一生付き合える歯科医院選びを



1.難しい症例に対する保存重視の歯科治療

全館メンテナンスに特化した マックデンタルオフィス秩父
『マックデンタルオフィス秩父』は秩父連山を見渡す新施設。全館メンテナンスに特化したスペース

秩父臨床デンタルクリニックの栗原仁理事長は、天然の歯牙をできるだけ保存するべきだという方針で治療にあたる。 天然の歯牙を残すには、マイクスコープを用い、複雑な形をした根管に薬を入れて細菌を取り除く必要がある。 治療済みの歯が、根の処置が不十分なために細菌を抱え、抜歯に至るケースも少なくない。 過去に根管の治療を受けており、再処置が困難なケースなど、保存を重視する歯科医師でさえ、抜歯を選択する難症例もあるが、保存の可能性は残っているという。 栗原理事長は歯茎を切開し、歯の表側からではなく、根の下から治療する「逆根管充填」によって、通常抜歯対象となる歯の保存に成功してきた。 また、歯を一度抜き、土台に治療を施してから、もう一度元に戻す「意図的再植」という方法もある。

「インプラント治療にしても、根管治療を一生懸命に行う歯科医院に任せるのが良いでしょう。安易な抜歯を行わない歯科医師が、天然の歯牙に負担をかけないためにインプラントを埋入するのであれば、それは正解だと思います」
歯根端切除後の逆根管充填器 MTAピンセットHK型
独自に開発した、歯根端切除後の逆根管充填器『MTAピンセットHK型』

まずは天然の歯牙を残すことが基本であるべきー
栗原理事長はこの方向をさらに推し進めるため、根の下側から治療する「逆根管充填」のためのピンセットを開発した。自動車を扱う地元の優秀なエンジニアが協力してくれている。
「田舎からでも、世界に発信することは可能です。こうした取り組みを通じて、1人でも多くの人に、自分の歯を残そうという気持ちになって欲しいと私たち歯科医師は願っています」

栗原理事長は、これからの歯科治療は保存とメンテナンスに力を入れるべきだと考えている。



NEXT2.:『メンテナンスに特化した新たな施設を導入』




■新・名医の最新治療とは?■

週刊朝日の人気連載「新・名医の最新治療」の最新の連載記事をまとめた1冊。「いい病院」など、大変ご好評いただいている週刊朝日の医療シリーズです。

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